バイデン大統領の愛犬「コマンダー」(写真:ロイター/アフロ)
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 10月5日、バイデン米大統領が飼っているオスのジャーマンシェパード「コマンダー」が、ホワイトハウスを退去したと発表された。原因は、コマンダーのかみつき癖。7月にシークレットサービス(大統領警護隊)の職員を病院送りにし、9月にも11回目のかみつき事件を起こしたことで、大統領夫妻もかばいきれなくなったようだ。ホワイトハウス報道官によると、コマンダーは慌ただしい環境で暮らすストレスによって攻撃的になっていたというが、その対処は“追放”しかなかったのだろうか?

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「犬は、基本的に怖がりで心優しい生き物。恐怖を感じて自分の身を守ろうとするときは、まずは『こっちに来ないで!』と吠え、次にうなり、かむのは最後の手段です」

 こう話すのは、犬の保護活動を行うNPO法人「DOG DUCA」代表で、ドッグトレーナーの高橋忍さん。一連のかみつき事件について、コマンダー自身の事情があるとすれば、家族以外に警戒心を持つ傾向のあるジャーマンシェパードであること/縄張り意識の強いオスであること/元保護犬のため、過去に虐待や飼育放棄をされたかもしれないこと、などが挙げられるが、「多くの人間がきちんと愛情を注げば、問題行動は防げたはずだ」と話す。

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