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 菓子メーカーカルビーのスナック菓子「じゃがりこ」がスリムになった。その名も「じゃがりこ 細いやつ サラダ」。9月中旬から全国のコンビニで販売されている。カルビーによると、長さを変えることはあったが、太さが変わるのは初めてという。ただでさえ売れ筋商品なのに、なぜ変えたのだろう。

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「女子会などでポリポリ食べられるようなじゃがりこがあれば、という企画担当チームの発想から生まれました」

 同社マーケティング本部の永吉真衣さんは、開発のきっかけをそう話す。

 もちろん、これまでのじゃがりこでも女子会で食べられないわけではない。ただ、そこはじゃがりこの生まれたきっかけを振り返ってみたい。

 じゃがりこが誕生したのは1995年。「女子高生がカバンに入れて持ち歩けるようなお菓子」というコンセプトのもと、発売が開始された。その後、売上高は約400億円に上り、会社全体の売り上げの約14%を占めるまでになった。カルビーの国内スナック菓子において、ポテトチップスに次ぐヒット商品に成長したのだ。

 そう。じゃがりこはそもそものきっかけも女子。「細いやつ」も“女子目線”で開発された商品なのだ。細くなった分、あまり口を大きく開けずに、また、咀嚼音を気にせずに食べることができるのだという。

■開発まで約4年の歳月

 これまでのじゃがりこでは、約1.2倍(約70ミリ)に伸ばしたLサイズや、ひと口サイズの「bits」など、長さを変えることはあったが、太さを変えることは初めての試みだという。

「細いやつ」は通常版よりも約25%細くし、代わりに本数を増やした。

 開発には約4年かかった。じゃがりこのカリッとした食感を残しながらも、曲がり過ぎず、また折れないようにするための試行錯誤が続いたという。

 ようやく理想の形で製造することに成功し、2022年に2度、一部コンビニでのテスト販売を行った。二回目のテスト販売中に、「正式発売投票所」をウェブサイト上に開設し、販売を望む人たちがどのくらいのいるのか、票を募った。1万票に達すれば正式販売することにしていたが、初日でなんなく突破。最終的には17万を超える票が集まったという。

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唐澤俊介

唐澤俊介

1994年、群馬県生まれ。慶應義塾大学法学部卒。朝日新聞盛岡総局、「週刊朝日」を経て、「AERAdot.」編集部に。二児の父。仕事に育児にとせわしく過ごしています。政治、経済、IT(AIなど)、スポーツ、芸能など、雑多に取材しています。写真は妻が作ってくれたゴリラストラップ。

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