アンミカの言うことが多くの人に刺さっている理由は、彼女自身がこれまでの人生で苦労を重ねてきたからだろう。実体験から学んだものがポジティブ思考として結実しているので、考え方に一本筋が通っている。

 この空前のアンミカブームを受けて改めて考えてみると、現時点での世の中の空気としては、人をけなすことよりも褒めることの方が求められている気がする。一昔前に毒舌タレントと呼ばれていた人たちも、今では何かにつけて「他人を褒める人」になっている。

 他人をけなす「毒舌」や、自分自身を卑下する「自虐」は、かつては違和感なく受け入れられていたが、今の時代にはもはや主流ではない。悪意を精緻なパズルのように組み立てていくことよりも、善意の光ですべてを照らすことの方が必要とされている。

「褒め言葉は退屈で面白くない」という常識を覆したアンミカの「ポジティブすぎて面白い」という奇跡。ポジティブ大喜利永世王者の彼女は、今後も底抜けに明るい笑顔で日本中を照らしてくれるだろう。(お笑い評論家・ラリー遠田)

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