深く刻まれたシワは、メイクではなかなかごまかせないもの。日頃のお手入れが大切です 写真 PhotoAC
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 口元に伸びる「ほうれい線」は、目立ってくるとそれだけでぐっと老けた印象に。メイクでごまかそうにも、深く刻まれたシワはなかなか隠れてくれません。そこで大切なのは、日頃のお手入れ。スキンケアはもちろん、体の中からしっかり対策をして、ほうれい線のできにくい“潤いハリ肌”をキープしましょう。この記事では、日本漢方のルーツである中国の伝統医学「中医学」をベースとした中医美容の視点から、【ほうれい線対策】について分かりやすくご紹介します。

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ほうれい線の正体は“皮膚のたるみ”

 ほうれい線は、鼻の脇から口にかけて伸びる深いシワ。乾燥が主な要因となる目元の小ジワと違い、ほほ全体の「皮膚のたるみ」によって現れます。

ほうれい線の主な原因

【1】コラーゲンやエラスチンの減少・劣化
肌のハリや弾力は、肌内部のコラーゲンやエラスチンなどによって保たれています。ところが、これらの成分は紫外線や乾燥、加齢などのダメージによって減少・劣化していくため、30代に入るとその影響が現れるように。40代になると量も急激に減少し、皮膚がたるんでほうれい線が目立つようになります。

【2】筋力の衰え
表情筋(顔の筋肉)は、肌のハリを保つ大切な要素。中でも、口元を囲む口輪筋、口角からこめかみに伸びるほほ骨筋が衰えると、皮膚がたるみやすくなります。表情筋は加齢とともに衰えますが、生まれつきの筋肉の質、無表情なども筋力低下の要因となります。

【3】骨密度の低下
骨密度が減少すると、下顎の骨「下顎骨(げがくこつ)」が縮んで小さくなります。すると、骨と皮膚の間に隙間ができ、皮膚がたるんで、シワやほうれい線ができやすくなります。

 その他、噛みぐせや睡眠姿勢などによる骨格のゆがみ、表情のくせ、歯並び、急激なダイエットなども、ほうれい線ができる原因となります。

「腎」「脾胃」の不調も「たるみ」の原因に

 中医学では、女性は「7の倍数」の年齢で体に変化が訪れると考えます。美容の面で気になるのは、35歳と42歳の節目。35歳を過ぎると容姿に衰えが見え始め、42歳を迎える頃には、シワやたるみ、白髪などが目立つようになります。

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ほうれい線を薄くする3つの中医式美肌術