こうした変化は、「腎」の状態の変化でもあります。腎は生命エネルギーの源「精」を蓄え、体の老化や骨の状態と密接に関わる臓器。そのため、加齢とともに腎が衰えると、皮膚の老化、骨密度の低下(骨粗鬆症)などにつながり、皮膚がたるんでほうれい線が目立つようになるのです。

 また、35歳は“陽明経絡(ようめいけいらく)が衰え始める時期”ともされています。陽明経絡は「脾胃(ひい)」(胃腸)につながる気・血の通り道。この経絡が衰えると、脾胃の働きが弱くなり、体の栄養が不足しがちになります。すると、肌のハリを保つ「気」(エネルギー)や筋力を十分に養うことができず、皮膚のたるみやほうれい線が現れやすくなるのです。

女性は「7の倍数」の年齢で体に変化が。美容の面では、35歳と42歳が節目にあたります

ほうれい線を薄くする基本のケア

 ツボ押し、筋力アップ体操、マッサージ。3つの中医式美肌術で、ほほのたるみとほうれい線をケアしましょう。どこでも気軽にできるので、気づいたらこまめなケアを心がけて。

【1】たるみ対策のツボ押し

●ほほのたるみを緩和するツボ 
聴宮(ちょうきゅう)…耳の前の出っ張った骨上部分
迎香(げいこう)…小鼻の脇

●口まわりのたるみを緩和するツボ
地倉(ちそう)…唇を閉じたとき、口角の外側にあるくぼみ
聴会(ちょうえ)…耳の前の出っ張った骨の上、口を開いたときにできるくぼみ

 それぞれのツボを10回ずつ押しましょう。

たるみ対策のツボ 聴宮、迎香、地倉、聴会 イラストAC

【2】筋力アップ体操

●ほほの筋肉引き締め体操
口を大きく「え」の形に開けて、30秒〜1分ほどキープ。

●あごのたるみ予防体操
口を大きく「あ」の形に開けて、30秒〜1分ほどキープ。

【3】リフトアップマッサージ

両手の親指と人差し指であごを挟み、フェイスラインに沿って耳たぶまで引き上げます。10回程度繰り返して。

ほうれい線知らず!体質を整えて体の中からハリ肌に

 皮膚は内臓の鏡。肌のハリ・弾力と密接に関わる「腎」と「脾胃」を整えて、体の中からたるみとほうれい線を予防しましょう。

【1】肌の乾燥、老化を防ぐ「腎」のケア

 腎の働きは加齢とともに自然と衰えるため、積極的にケアをして肌の老化を予防しましょう。腎は冷えに弱いので、冬は体を温める心がけを。

<腎の衰えサイン>
皮膚の乾燥、髪のパサつき、白髪、抜け毛、めまい、足腰がだるい、冷え、不眠など

<おすすめ食材・生薬>
鹿肉、手羽先、スッポン、えび、牛乳、小魚、大豆類(豆腐、納豆など)、にら、長芋、サージ、刺五加(シゴカ、別名エゾウコギ)など

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ハリをアップする「脾胃」のケア