■今年の非課税枠は
ちなみに、過去21年間におけるGPIFの実質的な運用利回り(実績値)は3.78%。目標に定めるべき運用利回りは、自分の不足額や積立期間(定年退職までの年数)によって異なる。「毎月の積立金額×平均利回り×積立期間」という計算式で算出された数値が目標額と一致する必要があるのだ。
「目標額と積立期間は固定されているので、それらから逆算すると、毎月の積立額と平均利回りも判明します」(同)
それらの算出には、金融庁ホームページ内の「資産運用シミュレーション」を利用すると便利だ。たとえば15年間で1千万円到達を目指すなら、毎月4万円ずつ積み立て投資を行い、平均5%の利回りで運用できれば、約1069万円まで増やせる(積み立て元本の総額は720万円)。
無論、NISAや、つみたてNISAといった税制優遇制度は徹底的に活用すべきだ。
「24年から新たなNISAが始まりますが、今年の非課税枠は新制度と合算されません。したがって、今年の非課税枠をフルに使い切っておかないと、もったいないでしょう」(同)
(金融ジャーナリスト・大西洋平)
※AERA 2023年3月27日号より抜粋