タブレットを紛失してしまったら…
タブレットを紛失してしまったら…
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 今やスマホだけではなく、タブレットを使う人を電車で見ることは多い。さらには、電源があり、ネット環境も整っているカフェなどが多くなっていることから、外でタブレットを使う人も多くなってきている。そこで考えなければいけないのが、うっかり紛失してしまうケースだ。

 タブレットの紛失には、大きく分けて2つの危険が伴う。まず、記録された「データを失う」という危険、次に「ハードウエアそのものを失う」という危険だ。

 まず、データを失う危険に対処するために、タブレットを開く際のパスワードの設定が必須だ。セキュリティーの高いパスワードを設定しておけば、拾った人、あるいは盗んだ人にデータを見られる確率はかなり低くなる。パスワードを初期設定のままにしておくのは論外だ。できれば、英数字を組み合わせた8文字以上のパスワードを設定しておくことをおススメする。

 だが、これだけでは不十分なのだ。仮に、悪意を持って盗まれた場合、ハードウエアを分解してHDDを取り出せば、パスワード設定は無意味になる。端末に設定されるパスワードは、「起動できないようにする」ものであり、起動せずにHDDだけを抜いてしまえば、パスワードはかかっていないのと同じことになる。

 この危険を回避するには、HDDのデータをすべて暗号化しておくことが重要だ。そうすれば、万が一データを盗まれても内容はわからない。そして、究極のデータセキュリティーはクラウドに情報を上げておくことだ。HDDに、つまり端末に情報を残さないでおけば、タブレットを盗まれても情報を抜きとることはできなくなる。

 それでも、タブレットに重要な情報が残ってしまっていることはあり得る。そういった場合の対処法について、セキュリティーソフト大手、トレンドマイクロの高橋昌也・シニアスペシャリストに聞いた。

「最新のセキュリティーソフトには、遠隔でデータを消去できる機能が付いているものがあります。セキュリティーソフトを入れておき、さらに電波が届くところになくしたタブレットがあれば、それで対応が可能です」

 ここまで事前に設定しておけば、データを盗まれる危険性は限りなく低くなる。だが、紛失した(あるいは盗まれた)タブレット本体を取り戻したい場合は、どうすればよいのだろうか?

「先ほどのデータ消去の前に、GPS機能を使って在りかを突き止めることが可能です。そのためには、端末のGPS機能をオンにしておくこと。また、位置追跡サービスに加入しておくことです。それを見れば、『ああ、今電車の中にあるな』『あの店にあるな』といった推測が立つ。そこで、盗まれたのか、置き忘れただけなのかが判断できます。データ消去などはそれから決めればよいと思います」

 とはいえ、電池消費が激しくなるということから、GPS機能をオフにしているユーザーは多い。だが、よく考えてほしい。電池が切れることとデータが盗まれること、どちらがリスクが高いのか。

 タブレットでもスマホでも、なくしたら最初にすべきことは「位置検索」だ。そのためにも、やはりGPS機能をオンにしておくべきだろう。

(ライター・里田実彦)