ドラマ「VIVANT」の主演を務める堺雅人
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 堺雅人が主演を務める日曜劇場『VIVANT』(TBS)の最終回が、いよいよ17日に放送される。この作品は、『半沢直樹』『下町ロケット』『ドラゴン桜』など数々のヒット作を世に送り出してきた福澤克雄氏が演出・原作を手がけるオリジナルストーリーである。

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 放送前から注目されていた本作は、7月に始まるとすぐに評判を呼び、回を重ねるごとにどんどん視聴率も上がり、今期のドラマで一番の話題作となっている。

『VIVANT』は、日本のテレビドラマとしてはあらゆる意味で破格の作品である。まず、明らかに制作費の桁が違う。堺雅人をはじめ、阿部寛、二階堂ふみ、二宮和也、役所広司といった豪華なキャストを集めている上に、俳優やエキストラを大量に動員して、海外などで長期ロケを行うことで、情報量が多く密度の濃い映像を作っている。

先の読めないストーリー展開

 さらに、一番の魅力となっているのが先の読めないストーリー展開である。第一話の冒頭では、冴えない商社マンの乃木憂助(堺雅人)が誤送金トラブル解決のために中央アジアのバルカ共和国に飛ぶ。そこでさらなるトラブルに巻き込まれ、彼は命からがら砂漠地帯をさまようことになる。ここからさまざまなキャラクターが登場して、物語はどんどん予想外の方向に転がっていく。

 序盤こそ乃木、警視庁公安部の野崎守(阿部寛)、医師の柚木薫(二階堂ふみ)の3人を軸にして話が展開していくものの、中盤以降はその構図も崩れていき、ますます意外な展開を迎えることになる。

 最終回を目前に控えた現時点でも、物語がどういうふうに着地をするのかは不明であり、ドラマ内の事象にあれこれ考えをめぐらせる「考察班」が思い思いの仮説を披露している。

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ラリー遠田

ラリー遠田

ラリー遠田(らりー・とおだ)/作家・お笑い評論家。お笑いやテレビに関する評論、執筆、イベント企画などを手掛ける。『イロモンガール』(白泉社)の漫画原作、『教養としての平成お笑い史』(ディスカヴァー携書)、『とんねるずと「めちゃイケ」の終わり<ポスト平成>のテレビバラエティ論』 (イースト新書)など著書多数。近著は『お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで』(光文社新書)。http://owa-writer.com/

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