ただ、入手難だった初代クラウンパトカーは、突如、手に入りやすくなった。復刻版が登場したからだ。きっかけは、1997年に発売された初期トミカ6台を再現した「トミカ誕生コレクション'97」というセットだった。

 見慣れていれば当時ものとの違いがわかるのだが、当時の復刻トミカは日本製だったから、製造国の表記で当時ものと復刻版を区別することはできない。だから、オークションサイトなどで、復刻版が当時ものとして出品されることもあった。

左からアピタユニーオリジナル、イオンオリジナル、トミカ誕生記念コレクションスペシャル(写真/森永卓郎)

 判別の一番容易な方法は、屋根の赤色灯(警光灯)だ。初代クラウンパトカーは、細分化すると5パターンの赤色灯が確認されているが、復刻版は先端が平面になっているのに対して、初期のクラウンパトカーの赤色灯は、尖っている。厳密に言うと、先端が平面の赤色灯は、当時もののパトカーにも存在するのだが、とりあえず尖った赤色灯のものを入手すれば、まず当時ものである。

 初代クラウンパトカーは、これまでに多数のバリエーションが登場している。だが、その過程で、裏板がハメ込み式からカシメ式に変更になり、フロントグリルが裏板一体型の金属製から、メッキ・プラパーツに変更になっている。塗色も、通常パターンのほかに、金メッキや黒塗装の覆面パトカー仕様もある。同じモデルでも、そうした仕様違いを並べて、違いを楽しむというのも、トミカコレクションの醍醐味(だいごみ)の一つなのだ。

※仕様の違いについての記述は、森永氏の見解です

森永卓郎(もりなが・たくろう)/1957 年7月12日、東京都生まれ。経済アナリスト、獨協大学経済学部教授。東京大学経済学部卒業。日本専売公社、経済企画庁、UFJ総合研究所などを経て現職
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