ただ、入手難だった初代クラウンパトカーは、突如、手に入りやすくなった。復刻版が登場したからだ。きっかけは、1997年に発売された初期トミカ6台を再現した「トミカ誕生コレクション'97」というセットだった。
見慣れていれば当時ものとの違いがわかるのだが、当時の復刻トミカは日本製だったから、製造国の表記で当時ものと復刻版を区別することはできない。だから、オークションサイトなどで、復刻版が当時ものとして出品されることもあった。
判別の一番容易な方法は、屋根の赤色灯(警光灯)だ。初代クラウンパトカーは、細分化すると5パターンの赤色灯が確認されているが、復刻版は先端が平面になっているのに対して、初期のクラウンパトカーの赤色灯は、尖っている。厳密に言うと、先端が平面の赤色灯は、当時もののパトカーにも存在するのだが、とりあえず尖った赤色灯のものを入手すれば、まず当時ものである。
初代クラウンパトカーは、これまでに多数のバリエーションが登場している。だが、その過程で、裏板がハメ込み式からカシメ式に変更になり、フロントグリルが裏板一体型の金属製から、メッキ・プラパーツに変更になっている。塗色も、通常パターンのほかに、金メッキや黒塗装の覆面パトカー仕様もある。同じモデルでも、そうした仕様違いを並べて、違いを楽しむというのも、トミカコレクションの醍醐味(だいごみ)の一つなのだ。
※仕様の違いについての記述は、森永氏の見解です