「配偶者居住権」を活用して、被相続人の配偶者(上記のケースでは母)が持ち家に住み続けられるようにする方法もある。遺言書の記載に基づいて、または遺産分割協議で合意が得られれば、配偶者は亡くなるまでの居住権を得て、ほかの相続人(上記のケースでは一人息子)は所有権を相続する。ただし、所有権を相続した相続人は、配偶者に対して家賃を請求したり、立ち退きを要求したりすることはできない。
財産の分割に関しては、親世代が元気なうちに話し合って決めておくことで、無用なトラブルを回避したい。
(構成/生活・文化編集部 上原千穂)