禁煙ブームに乗って、いざ禁煙を始めてみたが、意志が弱いせいか、なかなかうまくいかない……。他の人の迷惑にならない禁煙グッズには禁煙用パイプなどがあるけど、どうも味気ない。何か、たばこの代わりになるようなものはないのだろうか。そう思い少し考えてみると、あるグッズが思い浮かんできた。電子たばこだ。
電子たばこは、キセル内で電気を使って液体を加熱させ、発生する蒸気を吸う装置。たばこを吸う感覚を味わえるのが特徴だ。日本国内では2008年ぐらいから流通するようになった。
■電子たばこを求めにアキバへ
調べてみると、電子たばこを扱う店は都内にも数店舗あるようで、その一つが秋葉原にあった。秋葉原は日本で最初に路上喫煙が禁止された場所だ。
目的の店は、「中央通り」と呼ばれるいわゆる“表通り”にはなく、そこから路地に入った通称“裏通り”にある。
ただでさえ路地裏の通りだというのに、店の前からはさらに路地が伸びている。路地には怪しげなグッズが入ったケースが積まれ、異様な雰囲気を醸し出している。恐る恐る店の中に足を踏み入れることにした。
店内も入り口の雰囲気に違わず、ゲーム本体の部品や同人誌、健康グッズなどなど、さまざまなジャンルのものが置かれていた。その一角に、電子たばこのコーナーがあった。
■初期コストは数千円 フレーバーで味が変わる
そこには、「フレーバー」と呼ばれる液状のモノが売られていた。各メーカーから多くの種類のフレーバーが販売されており、アップル味やメンソール味など、吸引した時の味が変わるようだ。どうやら、このフレーバーを電子たばこ本体に入れる仕組みのようだ。値段は分量にもよるが、大体700円~1000円ほどで売られている。
肝心の電子たばこ本体はどこにあるのかと見渡すと、フレーバーのわきのところに置かれてあった。充電方法やパイプ式かキセル式かなどの形状の違いなどで、いくつか種類がある。どれも大体1500円程度で買えるようで、今回は「ego Twist」という製品を買ってみることにした。
早速、帰って試してみた。この製品はパイプ状の部分がバッテリーになっていて、手に持つとずしりと重い。バッテリーはUSBで充電可能だ。口を付けて煙を吸引する部品の中にフレーバーの液体を入れる仕組みだ。吸引するには、バッテリーに備え付けられているボタンを押すだけでよい。
すると、電気でフレーバーが蒸留し、その水蒸気がアトマイザーの中に充満する。そして、その蒸気を吸えば見事たばこの代わりになるというわけだ。
今回、無難にメンソール味のフレーバーにしてみたが、普通のたばこと違いニコチンなどの煙の成分がないためか、純粋にメンソールの味を楽しむことができた。実際吸ってみて意外だったのが、この蒸気が実際のたばこの煙のように一度吸い込んでも口から吐き出せるという点だ。この感覚を味わえるだけでも、他の禁煙グッズとは比べものにならないだろう。
なお、報道でも出ているが、中国産などの一部のフレーバーには発がん性を持つものもあるようだ。フレーバーを選ぶ際は、国産を選んだほうが無難かもしれない。
電子たばこは2500円ぐらいから始められるので、禁煙したい人はぜひ試してみてはいかがだろう。
(ライター・河嶌太郎)