男子団体準優勝の福岡県立修猷館高校山岳部はインターハイ出場常連校の強豪として、高校山岳部のあいだで知られている。男子団体で最近の成績は、2021年、22年ともに12位だった。女子団体もインターハイ常連で今年は16位、2021年は10位、22年は15位となっている。部員は44人(男25人、女19人)という大所帯だ。
同校山岳部の顧問、楠田和宏先生に尋ねた。
「今回も上位を狙えるメンバーがそろっており、ミスが重ならなければ入賞(6位以内)できると思っていましたが,男子準優勝は思いもかけない好成績でした。前回(22年)、前々回(21年)は小さなミスが重なって上位入賞を果たせなかった。その反省から、大会直前までミスが出ないよう入念に準備をしました。競技で勝敗を分けるポイントに地図を正確に読む、読図があります。今回、それがしっかりできました。また、これまでのインターハイ出場で得られた情報が先輩から伝わり、後輩がこれらを分析し、十分な準備ができました」
修猷館の山岳部の練習は、大会期間中、ランニングなど基礎トレーニングや筋力トレーニングが中心となる。天気図や読図などの研究、計画書や記録書の作成なども欠かさない。大会期間中でない時期は、1年生は天気図の研究、基礎トレーニングを行う。
楠田先生が続ける。
「基本的に練習は個人で行い、からだを鍛え体力をつけています。学校近くの小高い山に登る、重い荷物を背負って階段の上り下りを繰り返すなどです。部員一人ひとりがノルマを設けて練習に力を入れます。大会では長時間、山を歩くことができる体力が求められており、年に2回の合宿、そして、ときどき近くの山に登って経験を積ませ、体力をつけます」
大会に出場できる選手は男女4人ずつだ。どのように決まるのだろうか。
「本校は大会に出ることを一番の目的としているわけではありません。いろいろな山に登ってみたい、自然を楽しみたいなど、選手の思いはさまざまであり、部員全員に大会出場を目標とさせているわけではありません。大会に関心がなく、純粋に山登りだけしたいという部員もいます。大会出場選手は部員のあいだで決められます」