「政治とカネ」に問題はあったものの、それが選挙に影響することはまったくなく、地元の群馬県で初当選から負けなしの8選という盤石の強さを誇っている。

 事件については「説明責任が果たされていない」などと根強い批判が出てくる。しかし、小渕氏は今月号の「サンデー毎日」の対談記事で「15年秋に第三者委員会の報告書が出たので、前橋で全社の記者さんを呼んで説明し、2時間かけてすべての質問にお答えしました。私としてはそこで説明責任を果たしたと思っています」などと述べていた。

 ただ、今回の人事で名前が出て以降も、「説明責任を終えていない」との指摘は党内からも出ていた。

 9月13日、永田町の党本部で党4役による記者会見が開かれ、小渕氏は不明朗な会計処理について、「心に反省を持ち、決して忘れることのない傷」などと話したという。そこでも、発覚から1年後に開いた会見で説明責任を果たした、との認識を示し、「もし十分に伝わっていない部分があれば、私自身の不徳のいたすところ」と声を震わせたという。

 再び要職に就き、周囲の目はさらに厳しくなる。“傷”の治療はしっかりとしておきたい。

(AERA dot.編集部・唐澤俊介)

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唐澤俊介

唐澤俊介

1994年、群馬県生まれ。慶應義塾大学法学部卒。朝日新聞盛岡総局、「週刊朝日」を経て、「AERAdot.」編集部に。二児の父。仕事に育児にとせわしく過ごしています。政治、経済、IT(AIなど)、スポーツ、芸能など、雑多に取材しています。写真は妻が作ってくれたゴリラストラップ。

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