においや味にも「ザイオンス効果」

　「ザイオンス効果」は受け身の相手を誘導できるものです。リターゲティング広告の場合、広告の受け手はWEBサイトだけでなく、動画配信サイト、アプリ、SNSなど、さまざまなメディアで同じ商品の広告を目にします。企業側は可能性の高い見込み客に絞り、集中的に繰り返し安く広告できるのです。

　もちろんザイオンス効果は万能ではありません。接触するごとに無限に好感度が上がるわけではなく限界はあります。また接触の間が空きすぎて前回の記憶が薄れると、繰り返しになりません。企業も、これらをふまえて短期間に繰り返し同じ商品の広告を行っています。

　いろいろな学者が音、絵、写真、無意味な図形、匂い、味覚などで実験しましたが、あらゆる実験で「ザイオンス効果」が確認されました。

　「ザイオンス効果」は、ビジネスに活用することも可能です。人は何度も会うと安心してしまうもの。営業を行う人の場合は、何度も通うことで好感を抱かれる可能性があります。ただし好き嫌いが決まった後では効果に限界があるので、第一印象に注意しましょう。

（構成　生活・文化編集部　上原千穂）

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