「損」の悲しさは「得」のうれしさ2倍以上
1万円損したときの悲しさと、1万円得したときのうれしさは同じはずです。ところが研究の結果、同じ金額でも、損する悲しさは、得するうれしさより大きいことが明らかになりました。そのため人は、無意識に損を避けようとします。この心理を「損失回避」と呼びます。
しかし人は損得をよく考えず、直感的に判断します。その結果、目先の損を避けようとして長期的には損する判断をするなどの不合理な行動を取ります。
「今なら50%割引」といった宣伝につられるのも「損失回避」の影響です。「半額で買えるチャンスを逃す」ことを「損失」と考え、本当に欲しいのかどうかを考えずに買うのです。
同じ金額で損を感じる悲しさは、得で感じるうれしさの2倍以上とされています。人は無意識に損を強く感じすぎ、それを避けることに集中しすぎるのです。
期間限定商品、地域限定販売、今だけポイント5倍、購入者から抽選で10名にプレゼントなどのチャンスを示されると、「それを失うことは損」と判断して、買い物をしてしまうことがあります。これらは「損失回避」の影響による不合理な行動です。
(構成 生活・文化編集部 上原千穂)
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