バイアスに惑わされず正しく将来を予測するには

 このような自分自身に働く「投影バイアス」の心理を知らないと、無意識に不要な買い物をしすぎるといった自爆状態になるので要注意です。今の自分の状態が、この先もずっと続くのかを予測して、そのうえでその商品が本当に必要かどうかを判断することが必要です。

 将来を予測するとき、「投影バイアス」によって、今の状態が続くと感じます。でも、今の状態は永遠に続くわけではありません。そのことを知って、買い物をしたり、将来の準備をしたりしましょう。

 投影バイアスによる失敗としては、こんな例を挙げることができます。

  • 春先でも、寒い日があるとセーターを買ってしまう
    「投影バイアス」によって寒さが続くと思い込んで、あと少しで必要ではなくなる商品を買ってしまう
  • ずっと元気に働けると思って老後資金の準備をしない
    「投影バイアス」によって今の元気な状態が続くと思い込んで、投資や保険など、老後資金などの必要性を考えない。

 「投影バイアス」に惑わされて、無意識に現状が続くと思いこまないよう注意が必要です。また、将来を正しく予測するには、楽観的にも悲観的にもなりすぎないことが大切です。

(構成 生活・文化編集部 上原千穂)

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