ジャニーズ事務所の創業者である故・ジャニー喜多川氏による性加害問題。同事務所は9月7日に会見を開き、藤島ジュリー景子社長が辞任、所属タレントの東山紀之氏が新社長に就任すると発表しました。しかし、課題山積のジャニーズ事務所は、果たして生まれ変われるのか……。AERA dot.にこれまで掲載した記事で、経緯を振り返ります。【2023年10月1日更新】
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同社は「謝罪」も、ファンの心境は複雑
ジャニーズ性加害問題「謝罪」動画にファンの複雑な心境…「すべてを知りたいわけじゃないけど」「事務所はしっかり対応して」
https://dot.asahi.com/articles/-/191076
ジャニーズ事務所の藤島ジュリー景子社長は5月、同社の公式ホームページで被害を訴える人たちに対し、「心よりおわび申し上げます」と謝罪した。その一方で、加害の事実認定はせず、第三者委員会の設置もしないと述べた。SNSでは批判の声が上がったが、ファンたちは複雑な気持ちを抱いていた。
疑惑を世界に伝えたのは、ジャニーズファンだった
かつて“ジャニーズファン”だったBBCプロデューサーが語った 喜多川氏の性加害疑惑番組の舞台裏
https://dot.asahi.com/articles/-/194931
故ジャニー喜多川氏による性加害疑惑を世界に伝えたのが、英BBCのドキュメンタリー番組「Predator: The Secret Scandal of J-Pop(J-POPの捕食者 秘められたスキャンダル)」だった。日本におけるジャニーズ事務の立ち位置を、しっかり理解していた調査報道。その中心人物は、ジャニーズタレントのファンだった。
ジャニーズ事務所「社名変更」「被害者救済策」にBBCプロデューサーが感じている“大いなる違和感”
https://dot.asahi.com/articles/-/202248
ジャニーズ事務所は9月、喜多川氏の性加害が事実であることを認めた。この会見をふまえ、番組の調査報道を行った中心人物であるBBCのプロデューサー・メグミ・インマンさんは「これは第一歩で、始まりにすぎない。大きな前進ではないと認識している」と言い切った。
被害の実態解明に動き出したチーム
ジャニーズ事務所性加害問題「再発防止特別チーム」が会見 「非常に深刻な問題」の検証と再発防止提言へ
https://dot.asahi.com/articles/-/194641
性加害問題への対応のため、前検事総長で弁護士の林眞琴氏、精神科医の飛鳥井望氏、性暴力被害者支援をおこなっている臨床心理の研究者で構成する「外部専門家による再発防止特別チーム」を、ジャニーズ事務所が設置した。
調査結果の衝撃。そして…
ジャニー喜多川氏「性加害問題」の報告書を“当事者”はどう見たのか 「被害者は数百人どころじゃない、数千人いる」
https://dot.asahi.com/articles/-/200111
外部の専門家による「再発防止特別チーム」は8月29日、都内で会見を開き、調査結果について説明した。ジャニー氏による性加害は、1950年代から2010年代半ばまで常習的に繰り返され、「顕著な性嗜好異常(パラフィリア)が存在していたことを強く裏付ける」と結論。藤島ジュリー景子社長の辞任などを求めた。
ジャニーズ事務所性加害問題 東山紀之新社長が背負う十字架
https://dot.asahi.com/articles/-/200944
ジャニーズ事務所は9月7日、記者会見を開き、ジャニー喜多川氏の性加害を認めた。そして被害者への謝罪と補償をしていくとした。新社長に就任した東山紀之氏は「人生をかけ、命をかけ、この問題に取り組んでいきます」「この事実に真摯に向き合う覚悟です。被害者の方々への補償・救済はすべての出発点だと考えています」と述べた。
ジャニーズの新方針発表前に元「忍者」が抱いた怒り 「会見で流したあの涙はなんだったんだ」
https://dot.asahi.com/articles/-/202434
ジャニーズ事務所は10月2日、被害者への補償など会社の新たな運営方針について発表する。残すとした社名についても何かしらの対応があると見られる。こうした動きを「性加害問題当事者の会」(当事者の会)のメンバーたちは注視している。
今後の「勢力図」は…
ジャニーズ事務所“危機”で男性アイドルグループの勢力図はどう変わるのか 大手事務所も虎視眈々?
https://dot.asahi.com/articles/-/200746
社長交代が発表されたジャニーズ事務所は、刷新されるのか。そしてこれまでジャニーズの一人勝ちだった「男性アイドルグループ」の勢力図も、変化する可能性がある。
“ジャニーズ離れ”で気になる今年の「NHK紅白歌合戦」出場歌手 「元SMAP」香取慎吾に期待が高まる理由
https://dot.asahi.com/articles/-/202268
クライアント企業の“ジャニーズ離れ”は、大みそかに放送される「第74回NHK紅白歌合戦」にも及びそうだ。毎年、ジャニーズ事務所から複数のグループが出場してきたこともあり、今年の動向に注目が集まっている。
(AERA dot.編集部)