ピアノに社交ダンス、アロマ、カポエイラ、ボルダリング、筋トレなど、大人になってからは、いろんな習い事を経験した。最初は、仕事をきっかけにして始まったものもあるけど、ボルダリングは5年、カポエイラはもう10年以上も続いている。とくにハマっている筋トレは、ジムに通うだけでなく、最近は専属トレーナーを自宅に呼んでトレーニングをしているし、アロマに関してはハマり過ぎてコーディネーターの資格まで取得しちゃった。昔のボクを考えると、こんなに真面目に取り組むなんて、びっくりだよね。

 習い事を長く続けられている理由としては、周囲が「褒めてくれるから」というのは、かなり大きいと思う。よくよく考えると、子どものころの習い事って、褒められることがほとんどなかったんだよね。正直、怒られてばかりだった。とくに母親にはね(笑)。もちろん、時には必要かもしれないけど、怒られてばかりじゃ、やっぱり、子どもって長く続けられないと思うんだ。

 正直、ボクが、今通っているカポエイラの先生や、筋トレの専属トレーナーは、ボクに対して「やめさせない努力」みたいなことを、かなりしてくれていると思う。わかりやすくいうと、大げさに褒めてくれたりとか(笑)。たまに、大げさに褒め過ぎるから、笑っちゃう時もあるけど、それでも、やっぱり褒められることってうれしい。大人でもこんなにうれしいんだから、子どもだったら、なおさらじゃないかな。

 ちなみに、ボクがこれだけ習い事にハマってしまったのも、褒められた時の高揚感や達成感に感動したのがきっかけだった。あれは15年くらい前になるかな。ボクは、あるバラエティー番組で、「10日間で『戦場のメリークリスマス』を演奏できるようになるのか」みたいな企画に挑戦したことがあるんだ。楽器はもちろん「ピアノ」で、最終的には、カンニング竹山さんと「どちらがうまく弾けるようになったか」という対決だってした。その番組で、ボクにピアノを教えてくれたのが「中村姉妹」という女性2人組のユニットだった。

 中村姉妹のレッスンは、今でも鮮明に覚えている。とにかく、優しかったからね。ボクが、どれだけ失敗してもまったく怒らないし、どんな小さな成長であっても、ちゃんとすべて褒めてくれたんだよね。子どものころ、習い事で怒られてばかりだったボクにとっては、すごく新鮮な時間だった。あと、ボクが興味のあることを練習にどんどん取り入れてくれたのも楽しかったね。当時のボクは、詩を書くのが大好きだったんだけど、「伴奏にクロちゃんが好きな詩をつけてみよう」と提案してくれたりもして、毎回練習するたびにわくわくしていたのを覚えている。

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