自宅に置かれている電子ピアノを弾くクロちゃん(写真:本人提供)
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 安田大サーカスのクロちゃんが、気になるトピックについて"真実"のみを語る連載「死ぬ前に話しておきたい恋の話」。今回のテーマは「習い事」。子どものころは、習い事が大嫌いだったというクロちゃん。しかし、大人になってからは、ボルダリング、カポエイラ、アロマ、筋トレ、社交ダンス、ピアノなど、いろんな習い事に挑戦しているという。クロちゃんが、習い事にハマるようになったきっかけとは? ある姉妹との思い出のピアノレッスンを振り返る。

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 先日、2023年度の「習い事ランキング」なる記事を見せてもらった。今は、やっぱり国際社会だからなのか、英会話は、とても人気みたいだね。あとは、水泳やピアノも上位。その他では、男の子は、野球やサッカー、女の子はバレエやダンスが人気らしい。そのうち、ドローンの操縦とかも入ってくるんだろうか(笑)。

 今回のテーマは「習い事」。実は、ボクは、子どものころは習い事が大嫌いだった。硬筆、毛筆、電子オルガン、学習塾、サッカーなど、当時は、いくつかの習い事に通ってはいたけど、サッカー以外は、正直、どれもあんまり楽しくなかった。母親が、とても教育熱心な人だったから、いろんなことを学ばせたいって思いが強かったのだろうけど、ボクには合わないものばかりだったね。だから、「おっくうだな」と感じる機会も多くて、まったく上達もしなかったし、真面目に先生の話を聞かない、なんてケースも少なくなかった。とくに、毛筆では、先生が「こういうふうに書きなさい」と赤字で修正してくれても、素直に直さない時もあったからね。ひどい時は、みんな授業を受けているのに、ボクだけ外でボール遊びをしていた時もあったし(笑)。

 改めて振り返ると、当時のボクは、習い事に対して、どうも強制的に「やらされている感」みたいなものを感じていたような気がする。ボクはまったく興味がないのに、なんで真面目に取り組まないといけないのだろうってね。当時は、児童館で友達と卓球をしたり、公園で遊んだり、漫画や絵本を読んだりすることが大好きだったから、余計にそう感じていたのかもしれない。誤解しないでほしいけど、いまさら母親に文句を言っているとか、そういうわけでは決してないからね(笑)。母親はよかれと思って、ボクを通わせてくれていたんだし、そこにはもちろん感謝している。逆に、無駄なお金を払わせてしまって、ちょっと申し訳ないなって思うし。

 まあ、とにかく、何をやっても続かない、そんな状況だった。でも、不思議なことに、今のボクは、そんな大嫌いだったはずの習い事が大好きになっている。「習い事なんて面倒くさい」、そんな風にずっと思っていたはずなんだけど、人生は、ほんと何が起こるか分からないね。

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