そして8月22日のJR東京駅。
軽井沢へご静養に向かう上皇さまと上皇后美智子さまをお見送りしようと集まった人たちに対し、警察官は「プレゼントはできません」「物を渡したりしないでください」と繰り返し呼びかけ、上皇さまたちと奉迎者たちとの距離を空けようと交通整理した。
しかし、軽井沢から上皇ご夫妻が帰京した8月29日、ふたたびハプニングは起きた。
東京駅のロータリーで上皇ご夫妻を待つ奉迎者のなかに、カバの人形のようなものを抱えた人がいた。透明な袋にラッピングされており、プレゼントしようとしていたものと思われた。それを見つけた警察官が、
「渡しては駄目ですよ!」
と厳重注意。周囲も騒然となったという。
なぜ「ブタ」のぬいぐるみが?
今回、天皇ご一家に奉迎者が渡そうとしていたのは、「ブタ」のぬいぐるみだった。
ブタと言えば、愛子さまが幼稚園生のころにお気に入りだったのが、栃木県の御料牧場にいるブタたちだった。
愛子さまは2007年に開催された宮内庁の「文化祭」で、「ぶたちゃん」と題した手作りの工作を出品している。松ぼっくりや落ち葉で飾り付けした牧場で、ピンク色の小さなブタたちが思い思いに楽しんでいる、ほほえましい作品だ。また、03年の「文化祭」でも当時の皇太子ご夫妻が、親子らしきブタが集まる写真を「僕たちも一緒」というタイトルで出品している。
奉迎者が渡そうと用意した「プレゼント」には、皇室に対する「熱意」が込められているのかもしれない。それだけに「騒ぎ」の余波は続きそうだ。
(AERA dot.編集部・永井貴子)