AERA 2023年9月4日号より

親戚の空家を民泊に活用

 この夏から民泊ビジネスに参入したとしをさんは、東京で会社員をしながら、広島の尾道で家主不在型の民泊を経営している。

 もともと祖父母が住んでいた家だったが、祖父は10年以上前に亡くなり、その後祖母も高齢者施設に入り、その家は3、4年間空き家状態になっていた。

「人が住んでいないと家は傷みます。とはいえ、父も、父のきょうだいたちも関東や大阪に住んでいるので、誰も管理ができなかった。そこで私が民泊をやりたいと手を挙げました。建築系の会社に勤めていて建築に明るいのと、不動産投資などにも興味があったので、その延長で民泊もありかな、と思ったんですね。今年のゴールデンウィークに親族会議をして、私が修繕費用を全て負担する方向で了承してもらいました」

差別化を意識した作り

 DIYをやったり、消防設備や家具・家電を新しく入れ直したりして、総額200万円程度かかったそう。地元の民泊管理会社に管理と清掃を委託し、としをさん本人が現地に出向くことはないという。

「もともと大人数で泊まれる物件なのですが、駐車場や駐輪場を完備したり、庭でバーベキューできるようにしたりして、周りの物件との差別化は意識しました。夏休みは日本人の家族の予約が入って、まずまずのスタートが切れています。秋にはスイスの方の20泊の予約が入っているので、期待しています」

(編集ライター・江口祐子)

AERA 2023年9月4日号より抜粋

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