写真はイメージです。友人同士や家族で長期滞在するときは、ホテルよりリビング・ダイニングがあってくつろげる民泊が人気だ
この記事の写真をすべて見る

 水際対策の緩和でインバウンドが回復傾向にあるなか、注目を集めているのが、一戸建て住宅やマンションの部屋を活用して観光客らに宿泊場所を提供する「民泊」だ。どのように運営しているのだろうか。AERA 2023年9月4日号より。

【図表】民泊を始めるための6つのステップはこちら

>>【「民泊」副業で売り上げ2千万円 スゴ腕女性が教える民泊を始めるための6ステップ】からの続き

*  *  *

 紹介するのは神奈川県の江の島で夫婦で民泊を運営する深瀬さん。

「海外旅行が好きで、旅行会社で働いていました。妻とそろそろ家を建てたいね、と話をしている時に、どうせなら民泊ができる家を建てよう、という話になり江の島に家を建てたのがきっかけです」

 深瀬さんの民泊はいわゆる「家主居住型」で、1階にゲストが泊まり、2、3階に深瀬さん夫婦が住んでいるという。どんな人が泊まりに来るのだろうか。

「いろいろな国籍の方が泊まりに来ていますね。オリンピック選手が泊まったこともあります。江の島はセーリング会場があるのですが周辺にホテルがないのです。あとは映画にもなった『スラムダンク』の聖地巡礼で来る外国人も多いですね」

ゲストと交流を楽しむ

 家主居住型の民泊は躊躇(ちゅうちょ)する人も多いと思うが、トラブルなどはないのだろうか。

「最初は夜騒いでしまうゲストもいて、ご近所に菓子折りを持って謝りに行くなど苦労もありました。今は泊まる人数を制限し、ルールもきちんと作ったのでトラブルはほとんどありません。むしろ、ゲストの方との交流は我々夫婦の楽しみの一つです。英語ができなくてもジェスチャーと単語でなんとかなります」

 今は夫婦ともども会社を辞め、民泊や都内のレンタルスペースの運営をメインにしたビジネスをしているという。

「常にビジネスのことを考えていますが、周りからはいつも遊んでいるように見えるかもしれませんね(笑)。夜は家で妻と映画を見るのが日課です」

次のページ