横田浩一(よこた・こういち)/慶應義塾大大学院特任教授。企業のブランディング、SDGsなどの専門家。共著に『SDGsの本質』『ソーシャルインパクト』など多数(写真:本人提供)

 企業にとってSDGsへの取り組みは避けては通れない。それは大手企業だけでなく、中小企業も例外ではない。SDGsをどのように捉えるべきなのか。横田浩一・横田アソシエイツ代表取締役に聞いた。AERA 2023年9月4日号より。

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 企業にはSDGsへの取り組みが求められる時代だ。それをリスクと捉えるか、オポチュニティー(機会、好機)と捉えるかで企業行動は変わる。まだ多くの企業は気候変動や人権、ジェンダー平等への取り組みをリスクとして考えているようだ。しかし、オポチュニティーとして捉え、環境ビジネスを新規事業として成立させている中小企業もある。とても素晴らしい。

 日本の中小企業には多くの100年企業が存在する。それは長期視点の経営を考え、「三方よし」に代表されるように自社とお客様、地域とのサスティナブルな関係を維持しようと努力してきたからだ。一方、今の若者はSDGsネイティブ世代だ。社会に貢献する会社なのか、正しい事業をしているのかが就職先を選ぶ判断材料になっている。中小企業の人材確保のためにもSDGsの取り組みはますます大切になり、オポチュニティーになっていく。

(経済ジャーナリスト・安井孝之)

AERA 2023年9月4日号

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安井孝之

安井孝之

1957年生まれ。日経ビジネス記者を経て88年朝日新聞社に入社。東京、大阪の経済部で経済記事を書き、2005年に企業経営・経済政策担当の編集委員。17年に朝日新聞社を退職、Gemba Lab株式会社を設立。著書に『これからの優良企業』(PHP研究所)などがある。

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