マンガ/上大岡トメ
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「ごきげんの種」を作るのも大切だけれど、「イライラの種」を消すこともとっても大切。

 そして、「イライラの種」は、どこにでも落ちているし、本人が「イライラの種」だと気づかないことも多い。

「イライラの種」の原因は、何か満たされていないことが多い。

 そして、その種は、「嫉妬」とか「やっかみ」とか「文句」に成長する。

 また、人に迷惑をかけたり、わけもなく人に絡んだりと、他人に不快な思いをさせたり、他人に迷惑をかけたりすることも多い。

 先日もこんな事件があった。

 JALのファーストクラスの中、ひとりの男性が酔っ払ってCAに絡みだした。

 CAのメンバーは、なだめようとして、謝りっぱなし。最初は、わたしも黙って見ていた。

 ところが、その男性、だんだん声が大きくなる。

 サービスも止まったまま。

「この飛行機は最低だ」

「1000回以上も飛行機には乗っているんだ」

 見るに見かねて、うしろに座っていたわたしは、思わず注意した。

「他のお客さんに迷惑ですよ」

 なんと、その男性は逆ギレ。わたしに向かって、

「表に出ろ!」

 空の上で、表なんてないし……(笑)。

 それどころか、機長室のドアを叩き始めた。

 ただ、何があったか分からないけれど、数分後には、おとなしくなって戻ってきた。

 こんな人、いろんな場所でよく見る。特に飛行機のプレミアムクラスとかファーストクラスで見る。

「余計な声をかけるな」

 と、サービスに怒ったり、

「なぜ、声をかけなかったんだ」

 と、怒ったり……。

 そのたびにわたしは、思う。

「どうして、文句を言えない人に文句を言うのだろう?」

 どう考えても、こんな人たちの中では、イライラの種が育っているとしか考えられない。

 せっかく、ファーストクラスに乗っているのにもったいない。

 江戸の敵を長崎で伐ったら、ダメ、ダメ。

 じゃあ、どうすればイライラの種を減らすことができるか。

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