激化する戦闘の中で、無惨の攻撃をかわすことすらできないほどダメージを負った「柱」たちのことを、一般隊士たちはわが身を捨てて守ろうとする。
「行けー!! 進めーー!! 前に出ろ!! 柱を守る 肉の壁になれ 少しでも無惨と渡り合える剣士を守れ!!」(一般隊士/21巻・第184話「戦線離脱」)
自己犠牲を果たす特攻隊のようにも誤認識されそうだが、彼らを動かしたのは「命令」ではなかった。かつて助けてくれた人たちを、今度は自分が助けるのだと手を伸ばした。隊士たちの悲願は、鬼のいない世の中をつくることであり、彼らの戦闘目的も、鬼殺隊の行動理念もそこに集約されている。
「柱」たちは一般隊士の犠牲を望んでいたわけではない。死にゆく多くの隊士たちの姿を見て、皆、驚きと悲しみで、その表情をゆがませている。
「柱」たちの思い、隊士たちの願い
甘露寺蜜璃は、自分をかばう隊士たちに「みんなやめて!!」と叫んだ。伊黒小芭内は「俺たちをかばった仲間の命を 無駄にすることは決して許されない」と、彼らの命の喪失を悔やむ。「柱」たちは、自分の強さで、か弱い市民だけでなく、一般隊士たちの人生も守ってやりたかった。