
――芸能界で過ごした経験は、子育てにどのような影響を及ぼしていますか。
私はバラエティー育ちなので、共演させていただいたお笑い芸人さんたちに尊敬できる部分が多いですね。どんなコンプレックスを抱えていても、つらい幼少期や複雑な家庭環境を笑いに転換し昇華させ、見た人それぞれの心を軽くしてくれるのってすごいなぁと。人生ってつらいことがたくさんあると思うんです。私自身も学校に行けばいじめられ、気を許して遊べる友達もおらず、家に帰れば父親の酒乱、それに抗えない母親にハラハラビクビクする毎日で心休まる時がなく、業界に入ってから違う世界を知り学び救われました。息子にも伝えていますが、自分をゲームのRPGの主人公だと思って、誰かに攻撃された時にどんなアイテムを持ってどんな仲間がいれば最強キャラクターになれるのか考えてみようと。つらい現実に恐怖を感じるだけでなく、「じゃあ、この状況をどう乗り越えようか」と考えられるようになってほしい。子どもが1人で抱え込む環境にせず、自分の考えと他人の考えを言い合って、柔軟に再考できる環境が大事だと思います。
――子どものSOSに気づくことが大事ですね。
はい、でも学校の先生に全て責任転嫁するのはダメです。1人の先生が40人の子どもたちの様子をすべて見るのは不可能です。理不尽な体罰は許されませんが、少しでも注意したら親から苦情が来る時代なので先生も大変だと思います。先日、授業参観後の感想プリントに「何度注意しても聞かない子にはハリセンやピコピコハンマーで注意するのはアリだと思います!」と提出したんです(笑)。ただ単に叱るよりもユーモアを交えて良しあしのバランスを学ぶために本気で有効だと思うのですが。