山田陽翔投手(埼玉西武ライオンズ)(撮影=写真映像部・松永卓也)
山田陽翔投手(埼玉西武ライオンズ)(撮影=写真映像部・松永卓也)

 監督への感謝の言葉も口にした。

「監督はいつも体調を心配してくださって、練習中にはよく『頑張り過ぎるな』と言われていました。試合となると『頑張れ』なんですけど(笑)。常に『お前ならできる』と強く背中を押してくださいました」

 昨夏の甲子園では、準々決勝で高松商(香川)の浅野翔吾(現・巨人)と対戦。バックスクリーンに本塁打をたたき込まれたとはいえ、山田にもすがすがしい笑顔があった。

「世代を代表する打者なので、試合前からワクワクしていたし、打たれた時は悔しかった。浅野が一枚も二枚も上手でしたが、『次に対戦する時は負けないぞ』とすぐに切り替えることができました」

 ドラフト5位で西武に入団し、体重は高校時代の78キロから83キロに増え一回り大きくなった印象だ。

「技術も体力もまだまだなので、1年目はしっかり鍛えこんで、来年、再来年と1軍の舞台で投げるチャンスをいただけるように頑張りたい」

 2022年に誰より輝きを放った甲子園のスターは今、雌伏の時を過ごしている。
(柳川悠二)

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