ミオさんはモノのストックがあると安心するので、買い物のときについ多めに買ってしまいます。これが、家が散らかっている大きな要因でもありました。プロジェクトの中で学んだことをもとに、次に買う目安の残量を決めたり、買うまでに時間をおいて検討したり、家の中のモノの量を減らすことを徹底しました。
また、収納スペースにデッドスペースがあると押し込むように入れていましたが、そうすると取り出しにくくて戻しにくい。これも散らかることにつながります。デッドスペースはそのまま空いた状態にすることに。
すると、収納スペースには空きがあるのに、モノの全体の量が減って家の中もスッキリするようになりました。
「余白ができると、気持ちにもゆとりができたように感じます。1ヶ所ずつ片づけが終わるごとに、ずっと心にあったモヤモヤが減っていきました」
夫とは、犬も交えて「どんな家にしたいか」ということをじっくりと話し合いました。みんな共通の想いは「お掃除ロボットと犬が走り回れる家にする」ということ。ゴールが決まると、そこに向けて団結して進めます。そして、自然とモノの「いる・いらない」も判断しやすくなりました。
例えば、リビングにあった大きなソファは走り回る面積を狭めてしまう上に、一時的な物置きとして使ってしまいがちなので手放すことに。さらに足の踏み場もなかった部屋にあるモノも整理して、犬用の部屋として使うことにしました。
「一度、犬が丸まったラップを飲み込んだことがあったんです。私たちが仕事で留守のときは、リビング以外にも安心できる快適な部屋を用意してあげたくて」
夫婦と1匹の犬でがんばってきた片づけでしたが、終盤に夫が入院するという予期せぬ事態が起こりました。ミオさんは夫を心配しながらも犬と一緒に片づけをやりきり、退院した夫は生まれ変わった家を見てとても驚いていたそう。
「帰ってきた瞬間、地響きのような声を出していましたね(笑)。『がんばってくれてありがとう』とも言ってくれました」