肝がんの多くは、C型・B型などの肝炎ウイルスによる肝炎が進行して肝硬変になり、その結果がんを発症します。かつては肝がんになった人の9割以上がその流れでしたが、近年その割合は減少しています。ウイルス性が減ったぶん、アルコール性肝障害や、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)が原因でがんになる人の割合が増えています。週刊朝日ムック『手術数でわかるいい病院』は毎年、全国の病院の1年間の手術数を調査しており、創刊21年目を迎えた2023年版では、2021年1年間に実施された手術数のランキングを掲載しています。ここでは、肝がん治療数の全国ランキングをお届けします。
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週刊朝日ムック『手術数でわかるいい病院』は手術数を指標とした病院選びガイドとして2003年に創刊し、今年は21年目となります。各種のがん、心臓病、脳疾患、首・腰など、治療法別に30種類の設問が異なる調査用紙を作成し、全国4000を超える病院に対し約2万6千枚を配布。2022年9月から23年1月までの調査期間に回答のあった病院を、全国、地方別にランキング化しています。のべ4845病院を掲載しています。
今回紹介するのは「肝がん治療」。外科手術である「肝切除術」と「アブレーション治療」の合計の治療数をランキング化しています。
手術は従来の開腹手術だけでなく、小さな傷ですむ腹腔鏡手術を選択できるケースも増えています。「アブレーション治療」は、皮膚の上から電極針を刺し、がんをラジオ波やマイクロ波で焼き固める治療法です。局所麻酔で治療でき、傷痕も1センチほどしか残りません。おなかを開ける手術はもちろん、腹腔鏡手術に比べても患者の負担は小さくてすむのがメリットです。手術と同様、根治性も期待できます。
がん診療連携拠点病院と、厚生労働省が届け出義務を課す「肝切除術等」が2014年に10例以上の881病院を対象に調査しました。全国ランキングでは21年1年間の肝がん手術とアブレーション治療の総数で並べた全国ランキングです。前年の2020年の1年間の実績も記載しています。