外国から侵入してくる外来アリを水際の港湾で発見・捕獲するため、だれもが好きなスナック菓子が「えさ」として使われている。しかし、アリが好むのは、ポテトチップスやピーナッツバターなど。必ずしもチョコレートが好きなわけではないらしい。「アリは甘いものが好き」というイメージよりも複雑なアリの「好み」とは。
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岡山県倉敷市の水島港国際コンテナターミナルで7月、中南米が原産の外来アリ「コカミアリ」が日本で初めて見つかった。その場で30匹程度が駆除されたという。
環境省などによると、コカミアリは体長1~2ミリ程度と小さいものの、針で刺されると激しい痛みが出て、アレルギー反応を引き起こすこともある。国内に定着すれば日本のアリを駆逐するなど生態系に悪影響を及ぼす恐れがあり、農作物などにも大きな被害を与えるとして、「特定外来生物」に指定されている。
日本各地の港湾では、コカミアリやヒアリ、アカカミアリなどの外来アリが貨物と一緒に侵入・定着しないように、水際対策を実施している。
すでに侵入しているアリを見つけるため、アリが巣をつくりそうな場所などにえさを仕掛けて捕獲を試みているが、そのえさとして使われているのが、具体的な商品名は明かせないが、とあるメーカーのスナック菓子だという。