自民党女性局長の松川るい参院議員が、パリのリュクサンブール宮殿で今井絵理子参院議員と撮影したとされる写真=松川るい氏のSNSから
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 自民党女性局のフランス研修のSNSでの炎上が、ことのほか党内の動きに影響しているようだ。一つは、茂木敏充幹事長が取り仕切っている大阪の支部長の公募。もう一つは、岸田文雄首相が気にする支持率だ。両者とも穏やかではない。

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「情熱を持った素晴らしい候補者」

「自民党、大阪の再生を果たしたい」

 8月2日、大阪市内で記者会見した茂木幹事長は冒頭、そう語った。

 これまでの選挙で維新に惨敗し続けてきた自民党は「大阪刷新本部」を設置し、茂木幹事長が本部長となって大阪の10選挙区の支部長(立候補予定者)の公募を打ち出した。会見は、その選考結果の発表だった。

 新たな8人の支部長を発表し、2人については留保。この結果に党内からは、

「刷新になっていない」「派閥重視」

 と批判の声が上がった。

 というのも8人の顔ぶれを見ると、新顔は5人だけで3人は再任。再任された支部長は、岸田派や茂木派で、再任されていない2人は安倍派と二階派。岸田首相や茂木幹事長の威光と意向が色濃く反映されているという主張だ。

エッフェル塔のポーズ

 会見前には、茂木幹事長も加わり大阪府連所属の国会議員や地方議員らの「全体会議」が開催された。そこでは支部長の選出などで議論されていたのかと思いきや、

「話題になっていたのはエッフェル塔のポーズですよ」

 と自民党の地方議員が苦笑しながら言う。

 フランス研修に行った自民党女性局の松川るい局長(参院議員)や局長代理の今井絵里子氏らが、エッフェル塔前での記念撮影や滞在中の写真をツイッターに投稿したところ、それらがどれもこれも「観光気分」「旅行にしか見えない」などと批判を浴び、大炎上している件だ。

自民党女性局長の松川るい参院議員(中央)らがフランスのエッフェル塔前で撮影した写真。SNSで松川氏のアカウントからは削除されたが、拡散されている

 当初、松川氏も今井氏も「有意義な視察だった」などと主張し、なんら問題がなかったような対応をしていたが、その後、松川氏は視察に次女も同行させていたことも明らかとなり、最終的に「不適切で誤解を与えた」として陳謝した。

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「松川るいさん! 我慢できないので言います」