「二次会参加する方はお声がけくださーい!」とウィリアム皇太子の仕切りで17〜18人が会場に残ります。国費を無駄にするな!の批判もあり、二次会会場はロンドン北コミュニティセンターの和室でごく質素に。長テーブルに缶ビール、ハイボール、ノンアル、2リットル入りの大五郎、ハイサワーが並び、紙コップで乾杯。王室のお母さん方やお姉さん方が割烹着姿で乾き物やおつまみを運んだり、お酌をしたり忙しい。台所では「あら、おっきくなったわねー!〇〇ちゃん!」「どこ就職したの? まぁ、お父さんも安心だわ! 親孝行ねー! うちのはまだフラフラしてんのよー、どっかにいい人いたら教えてちょうだい!」みたいな話で盛り上がっています(英語なのでよく分からないけど)。
スコットランドのオジサン(と皆から呼ばれてる)はだいぶメートルが上がってきた模様。でっぷり太った赤ら顔のチョビヒゲに、頭にほどいたタキシードのネクタイを巻いて大声で「いんや、いんや、今日はまっことにめでてぇ、めでてぇ! オラがいとこのツァールズがやっとこさ王冠をもらえて、こんなぬ、めでてぇことはねぇなぁ、はぁ。ここはひとつ、オラが十八番の『エジンバラ慕情』を口バグパイプでご披露させていただきやすっ!」とよく分からない余興も飛び出します。正面のステージ脇にDAMのカラオケセットもあったので、エルトン・ジョンやらワム!やらスパイス・ガールズやらモーターヘッドやらジャミロクワイやらの大合唱で大盛り上がりなんですが、一人末席でポツンと檸檬堂の酎ハイをチビチビやってたのが次男坊のヘンリーさん。
「おーい! おめもこっち来て歌えー! なー『サタデエ・ナイト』、オジサン入れたからぁ!ヘンリーも一緒に歌うべっ!」。一瞬、「余計なことするなよ、オジサン」という空気が流れます。「ほら、デュエットすべ! な! ホレ!……どうすたんだよぅ? めでてぇ親父さんのテエカンシキだぞ! そったら浮かねえ顔して! ったくまぁ、まだ反抗期かえ? 聞いたぞ、こねぇだ本書いて随分儲かったんだってぇ?(笑) 羨ましいなー、金入ったんならオジサンとこの裏山買ってくんねえかな? 相続税高くつくからどっかやっちまおうと思ってなぁ。オジサンもこの年だから終活ってやつだなぁ」。イヤな緊張感、もうオジサンやめてくれ。
「なんだよー、機嫌ワリイのか? ホラ、歌うべな。『サタデエ・ナイト』! ……ところで、べっぴんのカミさんどうした? まだオジサン会ってねぇからなー、会いたかったなぁー。だよなぁ、ツァールズぅ! 親父さんの代替わりのめでてえ時に嫁さん来ねぇてなー、こら一大事だよぅ!」。もう勘弁してくれ、オジサン。「ホレ!『M・E・G・H・A! G・H・A! Nっ!! M・E・G・H・A! G・H・A! Nっ!!(サタデー・ナイトの節で)』」