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「査定時に強引に契約させられ、車を持っていかれた」「契約後すぐにキャンセルを申し出たら、高額のキャンセル料を提示された」など、中古車の売却をめぐるトラブルが増え続けている。昨年、全国の消費生活センターなどに寄せられた中古車売却に関する相談件数は過去最高となった。なかでも目立つのが、高齢者がトラブルに巻き込まれるケースだ。高齢となった親の車を代理で売却しようとした息子や娘が相談窓口を訪れることもある。特に多いトラブルと対処法を取材した。

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ある70代の女性は所有する車を売却しようと、インターネットの一括査定サイトを通じて査定を依頼した。すると、5つの買い取り業者から連絡があり、そのうち1社が女性宅を訪れた。

業者は「ドアに修理歴がある。事故車なので通常は15万円だが、今日すぐに引き渡せば25万円で買い取る」と言い、契約を迫った。その言葉の勢いに押し切られて契約した女性は車を持っていかれてしまった。その際、契約書は書面ではなく、携帯電話にメールで届いた。

30分後、女性は「他社の査定額と比較したいので車を返してほしい」と担当者に訴えた。しかし、車は返してもらえず、25万円も受け取っていない。なんとか解約して車を取り戻したいという。

まるで悪徳な訪問販売業者のようだが、国民生活センターの神辺寛之さんは「車の売却は特定商取引法の取引類型に当てはまらないので、クーリングオフを主張して車を取り戻すことができません」と注意を促す。

高齢者だけでなく子どもも

同センターによると、中古車売却に関する相談件数は2020年度までは年間1200件前後だった。しかし、21年度は1519件と、約1.25倍に増加。さらに22年度は1601件(今年7月31日集計)と、増え続けている。

神辺さんによると、その背景には2つの要因がある。

「ここ数年の半導体部品不足の影響で新車の販売台数が減少し、新車を買いたくても買えない状況になっている。なので、その間の“つなぎ”として中古車の需要が高まり、業者も買い取りを強化している」

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業界団体「減額はあり得ない」