修容疑者のプライベートについては、

「修容疑者もバンドをやっていて、女装やコスプレのような格好をしてステージに立ったり、瑠奈容疑者が『ゴスロリファッションが好き』と言うと自分も同じようなコスチュームで出かけたりしていましたよ。瑠奈容疑者も引きこもりで心を病んでいたのは間違いないです。修容疑者は『本人がやりたいようにやらせればいい。いつか気づくでしょう』と話していました」

 と語った。

「我が家の女子部に頼まれ」

 修容疑者のフェイスブックを見ると、女装やコスプレとおぼしき写真が貼られ、瑠奈容疑者に頼まれたのか、

<ゴスロリ系の店です。我が家の女子部に頼まれ買って帰る>

 などとコメントを残している。

 こうした部分からは、娘思いの立派な医師の父という側面が見えるが、先述の近隣住民は、最近の一家の様子についてこう話す。

「(修容疑者が)コンビニのお弁当やカップ麺を家の外で立ったまま食べたり、夜間にヘルメットにライトをつけて読書をしていたり、変な家だなと思っていました。家の中が少し見えたときがあって、廊下、玄関先にまでゴミがあふれていて、ゴミ屋敷のようにすごく散らかっていました」

 事件の背景には何があったのか。

 道警の調べでは、瑠奈、修両容疑者が事件前に札幌市内の量販店で、ノコギリやスーツケースを購入していたことも判明しているといい、これらが事件で使われた可能性があるとみて調べているという。

 朝日新聞などの報道では、瑠奈容疑者と浦さんとの間にトラブルがあったとの話も出ており、これから本格的な捜査が進むようだ。

 今後の捜査の展開について、元検事の落合洋司弁護士は、

「今回の逮捕で注目すべきは死体領得という罪名です。私もこの容疑で逮捕というのは初めて聞きました。つまり切断した首を我が物にして、保管していたということです。発見された自宅内のしかるべき場所に置いていたということだと推測されます。通常の殺人事件の場合、容疑者の心境としては、死体をすぐに手放したい、死体から離れたいと思うものです。それが保管というのは、非常に猟奇的ともいえます。今後の捜査はそのあたりがポイントなのかと思います」

 と説明する。
 
 さまざまな面で注目を集めたショッキングな事件。捜査の行方が注目される。

(AERA dot. 編集部 今西憲之)

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今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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