
スタジオジブリの最新作、宮崎駿監督の「君たちはどう生きるか」が7月14日についに公開となりました。「風立ちぬ」での長編映画引退宣言を撤回してから、宮崎監督の長編作品が公開となるのは10年ぶり。ファン待望の本作は、4日間の観客動員数は135万人、興行収入21.4億円と、2001年の大ヒット作「千と千尋の神隠し」の初動4日間の興行収入を上回る記録を打ち立てました。
予告編などは一切なし。ポスター以外の情報が公開されていないという異例の状況でのロケットスタートを見て、本作が気になり始めた方も多いはず。「前評判は何も見ずに映画を見たい!」という方にはこのまま映画を見にいっていただきたいところですが、本記事では映画「君たちはどう生きるか」についてもっと知りたいという方のために、本作の鑑賞をもっと楽しくしてくれそうな2冊を紹介します。「これから見にいこうかな」という人も「早速見てきた」という人も、書籍からスタジオジブリの世界に浸ってみてはいかがでしょうか。
まず紹介したいのは、吉野源三郎の小説『君たちはどう生きるか』です。本書を子どもの頃に読んだ宮崎監督が感銘を受け、題名を借りて今回の長編映画を制作したとも言われています。映画の作中でも『君たちはどう生きるか』の本が登場し、作中に映る主人公・眞人が本書を読むシーンでは実際の書籍と同じページが映ります。
「宮崎駿はどうして本書に感銘を受けたのか」「あのときの眞人はどんな気持ちでこの話を読んだのかな」と想像しながら読み進めるのも楽しそうです。
10年ぶりの長編映画
次に紹介するのは、スタジオジブリ代表取締役プロデューサーである鈴木敏夫氏の読書の軌跡を追う『読書道楽』です。
ジブリ作品のルーツをたどれば、敗戦のショックや戦後の少年漫画にたどりつきます。歴史的事件が人を動かし、個人の読書体験が世界を駆け巡るコンテンツへとつながっていく。そんな奥行きの感じられる読書体験や、プロデューサー・鈴木敏夫から見た宮崎監督の姿が語られる本書は、ジブリファンにはたまらない一冊です。
これまでに何度かの引退宣言と撤回を繰り返してきた宮崎監督。今回の「君たちはどう生きるか」こそ、本当に最後の長編映画なのではないかと言われています。書籍も活用して、10年ぶりの宮崎監督の長編映画をめいっぱい楽しみましょう!
(flier編集部)