それで何をしたかというと、月に1回のすしざんまいの日を作りました。自分がいちばん好きなものを食べるご褒美デー。すしざんまいに行って、どれだけおいしく食べられたかを点数化したんです。そうやってみると「今月は本当にマグロがおいしく感じられるなぁ」という時は、やっぱり自分のコンディションがいい時なんですよ。
すしざんまいチェックデーを作ってから、それまで以上に自分のコンディションに気を使うようになりました。その日に備えて1週間前からコンディションを上げていくみたいな感じ。変に無理をしなくなったんです。
おいしくものを食べる。その原点に返ることって、とても大事なこと。自分の中でいろんなことがわからなくなってしまったり、エネルギーが湧いてこなくなった時、大きな決断をするよりもまずはおいしくものを食べることをテーマにしてもいいと思います。
どうやったら自分がご飯をおいしく食べられる日々を過ごせるかを本気で突き詰めていくと、結構面白いです。それが基準になって、日常の余計なものやいらないことも見えてくるはずですよ。
※AERA 2023年7月31日号