大宮:サバティカル?
鳩山:10年に1度ぐらい、教授が1年間休んでもいい制度があって。学生として受け入れてもらえなくて。
大宮:え? そうなんですか。
鳩山:それで電気工学科に行き、オペレーションズ・リサーチ学科に移って、修士からやり直しました。合計6年間もかかっちゃった。
大宮:大学時代は、モテた?
鳩山:全然モテない。私、奥手でね。私は大学の講義が終わったらすぐ家に帰って、家で食事してましたよ。
大宮:えーっ。
鳩山:もっと楽しめばよかったよね。最後の1年ぐらいは、大学紛争のときだったんで、学校も行かなくて。
大宮:学生運動に参加したんですか。
鳩山:いや、いわゆるノンポリ。弟と二人で高みの見物でした。当時大蔵省の役人だったおやじが東大に機動隊を入れろと言うと、弟と「大学は自治がありますから無理です」と。
大宮:家族で話してたんですか。
鳩山:そうそう。ただ、自分たちの考えは揺れ動きました。計数工学科には当時は大きな計算機があったのですが、壊されたら困るので、外からバリケードを張って、学生たちが入れないようにしました。
大宮:学生対学生もあったんですね。
大宮エリー(おおみや・えりー)/1975年、大阪府出身。99年、東京大学薬学部卒業。脚本家、演出家などを経て画家として活躍。瀬戸内国際芸術祭(岡山県・犬島)で「光と内省のフラワーベンチ」を展示。2023年7月11~24日にスパイラルガーデン(東京)で個展を開催
鳩山由紀夫(はとやま・ゆきお)/1947年、東京都生まれ。69年、東京大学工学部卒業。スタンフォード大学工学部博士課程修了。86年、旧北海道4区(現9区)で初当選。2009年、第93代内閣総理大臣に就任。12年、政界を引退。13年、一般財団法人「東アジア共同体研究所」を設立、理事長に
※AERA 2023年7月24日号