
大阪府摂津市で2021年8月、新村桜利斗(にいむら・おりと)ちゃん(当時3歳)が、シャワーの熱湯を全身に浴びせられて死亡した事件。母親の交際相手で、殺人と暴行の罪に問われた松原拓海被告(25)の裁判員裁判の判決公判が7月14日に大阪地裁であり、懲役10年が言い渡された。検察の求刑は懲役18年だったが、「(松原被告に)殺意はなかった」として、殺人ではなく「傷害致死罪にあたる」と判断された。
松原被告は2021年春ごろ、桜利斗ちゃんの母親(24)と同居するようになった。松原被告は無職で、桜利斗ちゃんの母親が仕事に出て生活を支えていた。松原被告が自宅で桜利斗ちゃんの面倒をみていた時に事件が起こった。
これまでの公判で、松原被告は被告人質問に答える形で、桜利斗ちゃんを「面白半分」に虐待していたことを認めていた。
――桜利斗くんをクッションで殴る、押し入れに閉じ込めるなどが暴行として評価されている。
「当然やと思います」
――桜利斗くんをクッションで殴る動画が法廷でも再生されましたね?
「ひどい動画です。泣いているのに殴っている、それを見て僕は笑って楽しんでいました」
――その動画は桜利斗くんの母親に撮るようにもちかけた?
「自分が持ちかけました」
――それ以外にも桜利斗くんをビンタしたり、おもちゃを投げつけたり、押し入れにも閉じ込めている?
「自分の感情がコントロールできない……。それ以上はわからない」
――シャワーで熱湯を浴びせた理由は? 面白半分?
「はい」
――理由なく(シャワーで熱湯を浴びせることを)やったのか?
「わからない……。 面白半分。面白い動画を撮ろうと思った」
――桜利斗くんはあなたのおもちゃ?
「当時はそう思っていたところもあります。しんどがる姿が面白いと」
――(シャワーで熱湯を浴びた)桜利斗くんがやけどしたが、その後どうしたのか?
「体がすごく熱くて、扇風機で冷やして、お茶を飲ませた」