ryuchellさん(撮影/写真映像部・松永卓也)
ryuchellさん(撮影/写真映像部・松永卓也)
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 12日に亡くなったタレントのryuchellさん(享年27)はAERA dot.で連載を持っており、筆者はその担当記者をしていた。

【ryuchellさんが息子に宛てた手紙の実物はこちら】

 AERA dot.の連載「ryuchell & pecoの子育て日記」が始まったのは、2022年1月。ryuchellさんとpecoさん(26)が隔週で、ひとり息子の子育ての様子を語る連載だが、2人で楽しみながら育児をしている日常が伝わってきた。

 だが昨年8月、ryuchellさんとpecoさんは婚姻を解消すると発表した。ryuchellさんは婚姻解消の理由として「8年前にてこ(peco)と出逢い、女性を好きになることは、初めての事でした」とする一方で、「“夫”らしく生きていかないといけないと自分に対して強く思ってしまっていた」「“本当の自分”と、“本当の自分を隠すryuchell”との間に、少しずつ溝ができてしまった」などと自身のインスタグラムで説明していた。

 pecoさんもryuchellさんに対する感謝を述べ、婚姻解消はしても子どもとの家族3人で暮らしていくとして、「新しいかたちの家族となったわたしたちのことを、ぜひ、温かく見守っていただけたらうれしい」と自身のインスタグラムで投稿していた。

 しかし、その直後からryuchellさんに対しては厳しい批判の声があがった。SNSでは<無責任すぎる><pecoに育児を押し付けた><子供が一番可哀想>などryuchellさんを責める投稿が多数出るとともに、それに「いいね」や「リツイート」も多くつき、批判の声が拡散した。

 婚姻解消後、pecoさんとryuchellさんはAERA dot.のインタビューに応じている。ryuchellさんは自身の批判に対してこう答えていた。

「いろんな意見をもらいました。覚悟はしていましたが、やはりけっこう落ち込みます。僕たちが選んだ家族の形が、社会の中にある幸せのイメージとかけ離れている面があったから、さまざまな意見が出ているんだなと感じています」

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吉崎洋夫

吉崎洋夫

1984年生まれ、東京都出身。早稲田大学院社会科学研究科修士課程修了。シンクタンク系のNPO法人を経て『週刊朝日』編集部に。2021年から『AERA dot.』記者として、政治・政策を中心に経済分野、事件・事故、自然災害など幅広いジャンルを取材している。

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