歯ぎしりの場合は、朝、知覚過敏が強く出ます。起きた直後は神経に対する痛みの閾値が低くなっているため、水を飲んだり、うがいをしただけで歯がしみるのです。日中、飲食を繰り返すうちに、閾値が下がり、しみにくくなります。
ただし、歯ぎしりやくいしばりを放置するとエナメル質にひびが入り、そこから歯が少しずつ欠けてしまいます。こうなると、常時、しみるようになるので注意が必要です。
冷たいものがしみないようする究極のテクニックは、歯にあたらないようにして冷たい飲み物や食べ物を口の奥に入れることです(食べ物は噛まなくていい、アイスクリームなどを想定しています)。舌で歯を押さえるような形で、飲食をするといいかもしれません。
知覚過敏のひどいある患者さんは、冷たい飲み物をストローで飲んでいます。この方法だと、歯に触れずに、のどに直接流し込むのでしみません。
知覚過敏があることを忘れ、油断して、冷たいものをいきなり、口に入れてしまった場合は、どうすればいいか?
歯医者の私にもわかりませんが、ぬるま湯などを口に含んで、口の中の温度を上げるといいのではないかと想像します。ぬるま湯がない場合は、唾液で温まるのをじっと待つことくらいでしょうか。
我慢できない場合は、知覚過敏に対する治療をおすすめします。歯科医院では露出した歯の根の部分にコーティング剤を塗ったり、プラスチックのコンポジットレジンを貼り付けてセメント質や象牙質を刺激から、保護します。
歯ぎしりが原因の場合は、マウスピースが有効です。日中のくいしばりは、パソコンなどの仕事に集中しているときに無意識に起こっていることがほとんどなので、「くいしばりをしない」などと書いた付箋を貼っておき、気がついたらできるだけやめるようにします。
セルフケアとしては、知覚過敏用の歯みがき粉もあります。歯の神経に伝わる刺激を抑える硝酸カリウムや、象牙質の穴をふさぐ効果のある乳酸アルミニウムなどが含有されています。