だが、加地皇嗣職大夫は「経費削減」と説明しながらも、具体的に経費をいくら削減できたのかについては、
「具体的な数字は、お示しできるものを持っていない。お答えは控えさせていただきたい」
といった回答に終始した。その後、さらに補足文書を公表したが、
「削減された工事費を示すのは困難」
といったものだった。
宮邸の増改築工事と仮住まいの新築費を合計すると40億円ほどの額になる。
先の小田部さんは、立派に皇嗣としてご活躍することを人びとは期待していたはず、と嘆く。
「佳子さまが、分室でひとり暮らしを続ける理由について、経費削減と答えながら根拠を示すことができないとは、あきれてものも言えない。そもそも、皇嗣大夫は、秋篠宮家をお守りするのが役目。あの説明を見ていると、わざわざ国民の反発を招いているようにしか思えない」
■「私的な事柄」という主張
そもそも、なぜこのタイミングで公表したのか。
宮内庁が秋篠宮邸の改修工事に入ると発表したのは、19年2月のこと。その際は、本邸の改修工事が終わった後に、仮住まいの御仮寓所が私室として使用されるとは、ひと言も触れていない。各紙の記事にも、
「ご一家が宮邸に戻った後は、事務所と収蔵庫として使用される」
などと書かれている。
宮内庁サイドが御仮寓所を「私室としても使う」と漏らしたのは、改修工事を終えた22年秋の報道陣への公開時だった。「御仮寓所を分室とし、私室も残る」と説明したのだ。
その後、秋篠宮ご夫妻と悠仁さまが改修工事を終えた秋篠宮邸で生活を始めても、佳子さまは「分室」で暮らし続けた。
そして、ご一家が引っ越しを終えるめどとされていた今年3月、佳子さまが引っ越しをしていない理由について、記者が宮内庁に質問書を出しても、
「改修後の御本邸並びに御仮寓所の私室部分の具体的な使われ方については、私的な事柄であることから、お答えは控えます」
と、そっけない回答が戻ってきただけだった。