「小室眞子さんの結婚問題のときもそうでしたが、秋篠宮家は、答えたくない案件については、『私的な事柄』と主張して口を閉ざす傾向があります」
と、小田部さんは語る。
しかし、それで納得する訳がない。取材記者の間でも「説明すべきだ」という声があがり、さらに国民からも宮内庁へ抗議が相次いだ。
そうした世間の声を踏まえて、宮内庁と秋篠宮家でも何らかの説明にむけた検討が進んでいたようだ。
だが、皇嗣職大夫がようやく説明を行ったのは、引っ越しの「期限」から3カ月も過ぎた6月末だった。
事情を知る人物は、こう語る。
「眞子さんの結婚問題のときも、国民への説明に何年もの時間を要しました。今回も、秋篠宮ご夫妻と宮内庁サイドで文書の細部まで慎重に練っていたのでしょうが、それにしても説明が遅きに失した印象は否めません」
いずれにせよ、秋篠宮ご夫妻の許可なしに、皇嗣職大夫が何かを説明したり、公表したりすることはない。
■「勇退と説明打ち止め」説
佳子さまの「ひとり暮らし」問題をめぐり、これまでメディアへの説明にあたってきた加地皇嗣職大夫はすでに70歳を迎え、まもなく「勇退」すると見られている。
宮内庁長官や侍従長、そして皇嗣職大夫といった役職は、国家公務員法に規定された特別職。規定はないものの、70歳が引退の目安とされている。
加地皇嗣職大夫は、眞子さんの結婚問題でも、秋篠宮家と説明責任を果たしてほしいといった世論との間で、苦しい説明にあたってきた人物。今回の秋篠宮邸の増改築工事の経緯も、最初から把握している。その加地氏が「説明を果たした」のちに引退してしまえば、不十分な説明のまま、打ち止めになるのではないかとの懸念が、関係者の間では出ているのだ。
多くの公務をこなし、皇室を支える主力となっている秋篠宮家。しかし、「私的な事柄」を理由に口を閉ざし続けていては、国民との信頼関係を築くことは難しいのではないだろうか。
(AERA dot.編集部・永井貴子)