近所での立ち話からビジネスシーンまで、どんな場合においても差し障りのない無難な話題といえば、天気の話。しかし同時に、天気の話はいつもたいして盛り上がることもなく、「暑いですね」「寒いですね」「天気がいいですね」「雨が降りそうですね」......といった、当たり前なコメントで終わってしまっていないでしょうか。
そんなとき手にしたいのは、関西のお茶の間でお馴染み、関西テレビにて天気予報を毎日伝えてくれている、気象解説者・片平敦さんによる『仕事で得する天気の雑学』。
本書では、「今日は暑いですね」といった発言止まりになってしまわない、思わず誰かに話したくなる天気にまつわる雑学から、実際に役立つ知識まで、天気に関する36個の実用的なネタを、いつもの片平さんのテレビでの気象情報と同じくわかりやすく教えてくれます。
早速どのような雑学が紹介されているのか、すぐに実践できるものをいくつか見てみましょう。
まず天気予報を見る際、気になるのは、最新の正確な予報を知ることのできる時刻。
片平さんによると、気象庁によって予報が発表されるのは、1日3回。毎日午前5時、午前11時、午後5時なのだそうです。また週間天気予報が発表されるのは、毎日午前11時と午後5時。さらに1ヶ月予報は週に1回、毎週木曜日。3ヶ月予報は月に1回、毎月25日。そのため、最新の正確な気象情報を知りたいならば、これらの発表時刻の直後に調べるのが良いといいます。
しかし、ウェブサイトを見てもいまいち予報がはっきりせず、空を見上げて、とりあえずここ数時間、自分で大体の天気の予想をつけたい場合もあります。
そんなとき知っておくと便利な、天気が崩れるサインとは「飛行機雲」。飛行機雲は、飛行機のエンジンから出る水分等がもとになって発生しますが、これが消えずに長く残ったり、幅が大きく広がってきたりしたらその後は雨になるといいます。
「上空の空気が乾燥していれば、この飛行機雲もすぐに周りの空気に溶け込んで消えてしまいますが、上空の空気がすでに水分たっぷりだと、消えずに長い間残ってしまいます。すでに水分たっぷりということは、別に飛行機が通らなくても、もうすぐ水分が『雲』として姿を現し、ゆくゆくは雨が降る......という状態なので、飛行機雲が消えずに残ることは、遠くない将来には天気が崩れる、という目安になるのです」
その他にも本書では、「雨粒は、大きさ5ミリの肉まん」「台風の名前は『台風委員会』によって決められる」「梅雨は1年に4度訪れる」「春先の雨の直後は、洗車をしてはいけない」といった興味深い雑学の数々も。
日々同じ天気がないように、天気の話題は無限にあると片平さんはいいます。間口が広い話題なだけに、天気にまつわる雑学は、生活シーンはもちろん、雑談の場でも大いに役立ってくれそうです。