小沢氏の牽制が利いた形だが、一方で永田町内からは「小沢氏の動きは泉氏を牽制するだけで終わるだろうか」といぶかしむ声も上がっている。
そもそも小沢氏は、2021年に行われた立憲の代表選では泉氏を応援していたが、その際に約束していた人事上の処遇を反故にされたことから反泉路線となり、長く対立関係が続いている。
立憲関係者は「立憲の支持率が伸び悩むなか、場合によっては、また仲間を引き連れて離党する可能性もあるのではないか」と声を潜める。
また、小沢氏が活動を活発化させる一方、重鎮の選挙アドバイザーや、自身に近い大物記者と会い、情報交換を積極的にしているという情報もあり、すでに政局に向けて準備を進めているのではないかと言われている。
ただ、年内の解散・総選挙が有力視されている状況で、むやみに政局を起こしてしまっては、党を壊すだけでなく、反動で自身も壊れてしまうかもしれない。
はたして小沢氏が「壊し屋」として再び勝負に出るのか。永田町全体が固唾を呑んで見守っている。
(ジャーナリスト・宮原健太)
■みやはら・けんた 1992年生まれ。2015年に東京大学を卒業し、毎日新聞社に入社。宮崎、福岡で事件記者をした後、政治部で首相官邸や国会、外務省などを取材。自民党の安倍晋三首相や立憲民主党の枝野幸男代表の番記者などを務めた。2023年に独立してフリーで活動。YouTubeチャンネル「記者YouTuber宮原健太」でニュースに関する動画を配信しているほか、「記者VTuberブンヤ新太」ではバーチャルYouTuberとしても活動している。取材過程に参加してもらうオンラインサロンのような新しい報道を実践している。