伝統的な英国建築の影響を受けているという荘厳な作りに圧倒されながら歩を進めると、ダンブルドア校長やスネイプ先生の姿が。「等身大」だというホグワーツの先生たちは一人ひとり、指先のポーズまで再現されていて、いまにも動き出しそうだ。ダンブルドア校長のフクロウの演台は本物の金でコーティングされていて、映画では気づかなかったディテールも楽しめる。
数々の調度品が並ぶ大広間で小道具チームの自信作は、4つの寮が成績や生活態度で増減するポイントを競う「寮別ポイント計」。砂時計のようなポイント計には大量のガラスビーズが使われていて、映画撮影のタイミングで世界的にガラスビーズが不足する事態を引き起こしたという逸話が残っている。
9と3/4番線
そして、ハリー・ポッターといえばキング・クロス駅の「9と3/4番線」。アーチ型の巨大な屋根の下で、ハリーを含め何百人もの生徒をホグワーツへと運んだ「ホグワーツ特急」が汽笛を鳴らし、煙を上げている。1929年に作られたイギリスの蒸気機関車を改装し、運んできたものだという。
ホグワーツ魔法魔術学校に入学するつもりになって乗り込むと、ハリーやハーマイオニー、ロンに遭遇。コンパートメントをたどっていくと、ホグワーツに入学した子ども時代から、彼らの成長を辿っていくことができる。それぞれの席がどの映画のシーンなのか思い出しながら歩くのも楽しい。ロンドン近郊の同施設にあるホグワーツ特急にはキャラクターの荷物だけが置かれていて、ハリーたちがいるのはここ東京のみだ。コンパートメント最後部のカタカタと鳴るドアノブにも、日本独自の仕掛けがある。内緒にしておくので、ぜひ行って確かめてみて。
ダイアゴン横丁
空を飛ぶ箒や魔法の杖など、魔法界で欠かせないグッズのお店が並ぶにぎやかな商店街「ダイアゴン横丁」も精巧に再現されている。「ウィズリーウィーザードウィーズ店」や「グリンゴッツ銀行」など映画で何度も登場した建物が並び、ハリーたちの世界に迷い込んだ気分はさらに高まる。
照明によって、ガラリと雰囲気が変わる「昼」と「夜」を体験できるうえ、小道具部門を率いるピエール・ボハナが一番好きなセットだったと振り返る各店舗の中の作り込みも見事。「オリバンダーの杖店」は壁という壁が1万7千にも上るという杖の箱で埋め尽くされている。