皇太子時代の2017年、デンマークのコペンハーゲンを訪問した(代表撮影)
皇太子時代の2017年、デンマークのコペンハーゲンを訪問した(代表撮影)

 ところで雅子さまにとっては21年ぶりだが、陛下は国際親善のための外国訪問をお一人で続けてきた。代替わり前、つまりコロナ禍が広がる以前だが、2018年にはフランス、2017年にはデンマークとマレーシアを訪問している。そして訪問にあたっては記者会見をし、そこでは宮内記者会だけでなく在日外国報道協会のメンバーも質問をするのが恒例になっている。

 インドネシア訪問にあたって、記者会見はどうなるのだろう。陛下お一人での会見となるのか、雅子さまとお二人での会見となるのか。もしお二人の会見が実現するのなら、雅子さまにお願いしたいのが「Take it easy」だ。英語は全く苦手なのだが、英和辞典には「のんびりやる、あまり力まない」とあって、それが私の気持ちだ。

 例えばなのだが、「虫」の話題はどうだろう。インドネシアは昆虫の楽園で、蝶など希少種がたくさんいるそうだ。そして雅子さま、大変な昆虫好きなのだ。結婚30年にあたって公表された映像は、陛下と雅子さま、愛子さまが3人で繭の作業をする様子だった。この映像とともに、「皇后さまは蚕がお好きで、素手で触られるということです」と報じるテレビ局もあった。

 インドネシア訪問でも記者会見をし、「虫」について語る。そんな雅子さまを期待するのは、実績があるから。1998年、35歳の誕生日にあたっての会見で雅子さまは、クワガタ愛を語っていた。「公務を離れて楽しみにしていること」を聞かれ、雅子さまは御所の窓の外で弱っていたクワガタを見つけた話をした。保護して、メスも一緒に育てたら卵が生まれ、幼虫を育てていると説明し、「クワガタの場合、成虫になるまでは3年ぐらい掛かるということで、割と長い3年掛かりの仕事になるかしらと思っております」と述べていた。

 国際親善とともに幕をあける雅子さまの31年目。虫の話から始まったらいいな。かなり本気で思っている。(矢部万紀子)

春の園遊会での一場面。撮影に臨む姿勢にもご夫婦の生真面目さが滲む(代表撮影/JMPA)
春の園遊会での一場面。撮影に臨む姿勢にもご夫婦の生真面目さが滲む(代表撮影/JMPA)
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矢部万紀子

矢部万紀子

矢部万紀子(やべまきこ)/1961年三重県生まれ/横浜育ち。コラムニスト。1983年朝日新聞社に入社、宇都宮支局、学芸部を経て「AERA」、経済部、「週刊朝日」に所属。週刊朝日で担当した松本人志著『遺書』『松本』がミリオンセラーに。「AERA」編集長代理、書籍編集部長をつとめ、2011年退社。同年シニア女性誌「いきいき(現「ハルメク」)」編集長に。2017年に(株)ハルメクを退社、フリーに。著書に『朝ドラには働く女子の本音が詰まってる』『美智子さまという奇跡』『雅子さまの笑顔』。

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