『大学ランキング2024』(朝日新聞出版)では、仏教系、キリスト教など宗教系大学の規模、得意分野がわかるランキングを掲載している。その一部を紹介しよう。
* * *
■宗教系大学の歴史からは、日本史や世界史を学べる
16世紀半ば、最初にキリスト教が日本に伝来してカトリック教会が設立されてから、300年以上経った明治時代、欧米からの宣教師が来日し教育機関(ミッションスクール)をつくった。これらは男子修道会、女子修道会に分けられる。
男子修道会は、フランス系の上智大、オランダ系の南山大がある。両校は親しく、体育会の交流戦などを行っている。
女子修道会は、フランス系の白百合女子大や聖心女子大、ノートルダム清心女子大、スペイン系の清泉女子大などのルーツ校を作った。白百合女子大、聖心女子大、清泉女子大は「3S」と呼ばれ、情報交換を行うなど3S同士の交流もある。
プロテスタント系は、16世紀、ドイツ人牧師、マルチン・ルターがローマ・カトリック教会のあり方(儀式の信仰化、教理の形骸化、組織の腐敗など)を批判し、宗教改革をすすめたことから始まる。1870年代以降、プロテスタント系の宣教師が来日し、アメリカ・メソジスト監督教会は青山学院大、アメリカ南メソジスト監督教会は関西学院大などのルーツ校を設立した。また、アメリカの外国伝道組織の日本人宣教師、新島襄が同志社大のルーツとなる同志社英学校を設立する。校名の由来は、「志を同じくする者が集まって創る結社」だ。
大学のキリスト教科目について、カトリック系は必修となっている。プロテスタント系では立教大など必修となっていないところもある。
■日本の古い大学の多くは仏教系
日本でもっとも古い大学の起源までさかのぼると、多くは仏教系教育機関にたどり着く。
593(推古元)年、聖徳太子は四天王寺敬田院を設立した。現在の四天王寺大に継承されていく。828(天長5)年、弘法大師空海がつくった綜芸種智院は種智院大のルーツだ。1592(文禄元)年、曹洞宗が仏教の研究、漢学の振興を目的としてつくった「学林」はのちに駒澤大となった。