「ユーモアを通して心を和ませようと、陛下ならではの人間味あふれるエピソードでいらっしゃると思いますね。陛下が『ハンカチ王子』なんておっしゃったら、思わず笑ってしまいますよね。取材を通じて聞こえてくるのは、天皇ご一家は常にコミュニケーションを取っていて、笑顔が絶えないご家族だということ。この那須塩原駅前のエピソードは一コマに過ぎませんが、普段もこんな雰囲気のご家族でいらっしゃるのだろうと思わせてくださいますよね」

 1993年6月9日に結婚され、2001年12月1日に愛子さまがお生まれになってこれまで、ご一家の仲睦まじい様子は写真や映像からもあふれ出ている感じがしてならない。つげさんは、ごく最近気づいたことがあると話す。

天皇陛下の即位5年と両陛下のご成婚30年の特別展で日本橋高島屋に訪問されたときの服装を拝見して、雅子さまと愛子さまがここまでリンクされていたのは珍しいと思いました。雅子さまはパンツ、愛子さまはスカートではありましたが、同じブルーグレーの色合いで、ジャケットはテーラードでした。これまでも雅子さまと愛子さまがさりげなくリンクコーデでいらっしゃることはありましたが、これほどまでに揃えていらっしゃるのは初めてではないでしょうか」

5月30日、特別展で結婚パレードで使った車を見る天皇、皇后両陛下と長女愛子さま
5月30日、特別展で結婚パレードで使った車を見る天皇、皇后両陛下と長女愛子さま

 つげさんは「これにはメッセージが込められているのではないか」と感じ取ったそうだ。

「ご結婚から30年の歳月の中で、やはり最も嬉しかったのは愛子内親王のご誕生だと思います。子どもを授かると身ふたつになると言いますが、この日のリンクコーデは、愛子さまが雅子さまの分身のような大切な存在であることを強調されたかったのではないかと拝察しました。ご成婚30年を記念した特別展なので、あえてそうなさったのではないかと思います」

 天皇陛下、雅子さま、そして、愛子さま、それぞれの絆がまるで目に見えるかのように結びついている。30回目の結婚記念日も天皇陛下を中心に雅子さま、愛子さまの会話が飛び交い、そこに笑顔があふれていたことであろう。(AERA dot.編集部・太田裕子)