別の立憲関係者は「報道後、本人はだだ泣いていて、事件については語ろうとしない。いずれにせよ、選挙のために(偽バックを)売ったとか言っている時点でダメ」と怒りをあらわにする。
事実確認のため、和田氏の携帯電話を何度か鳴らしたが、応答はなかった。メールでも問い合わせをしたが、期日までに返信はなかった。
警視庁に問い合わせると「今回の事案(余罪について)は発表されているものではない」と回答を控えた。
■足立区の有権者の反応は
「街を歩いていると『身辺調査もできないのか』『初めからわからなかったのか』と地域の方々から言われます」
こう話すのは5月25日まで任期を務めた、元足立区議の鈴木あきら氏(69・立憲民主党)。区内の有権者からは党としての姿勢を問われているという。
鈴木氏は「処罰を受けたのは5月9日。このまま、だまし通す、黙っていたらいけるんじゃないかという考えだったのでは」と話す。
足立区議会の立憲会派の誰も、今回の事件については知らなかったという。
「私も報道で初めて知りました。他の立憲の区議たちも同じです。本人からはそれまで一切報告がありませんでした。報道後、24日に事実関係を確認した際には『昨年12月に事情聴取を受けていたか』と聞いても『はい』とも『いいえ』とも言わない。『3月に書類送検をされたか』と聞くと、『それは事実です』と認めました。書類送検されるくらいのことをしたのだから、たとえ公認を外されても事前に党へ説明をすべきだったと思います。なにより国民、有権者に対してあってはならないことです」
和田氏は25日夜、自身のツイッターに「議員辞職にあたってのお詫び」とした文章と謝罪動画を投稿。動画内で和田氏は、「今後は4年間かけて、足立区中を回らせていただき、1軒1軒回っておわびをすることからだと思っている。その先は、お許しいただけるなら足立区のお役に立てることをできたらと考えています」と話している。
だが鈴木氏は、「政治家として甘すぎる。多くの人に迷惑をかけていることをわかってほしい」と言い切る。
なぜ違法行為に手を染めたのか、なぜ処分を隠して立候補したのか。それらをまず本人が表に出てきて説明すべきだろう。一度失った信用を取り戻すことは容易ではない。
(AERA dot.編集部・板垣聡旨)