21日に投開票された足立区議選で、立憲民主党から出馬して当選した和田愛子氏(38)が26日に議員辞職した。和田氏は、偽のブランドバックをネット販売したとして、商標法違反容疑で今年3月に書類送検され、罰金20万円の略式命令を受けていたことが当選後に発覚していた。異例のスピード辞職となったが、その過程では“余罪”の可能性も浮上していたことが明らかになった。
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すべて、出馬前の出来事だった。
和田氏は去年5月、人気ブランド「アニエスベー」の偽バッグ1点をフリマアプリで、8300円で売り利益を得ていたとして、今年3月に警視庁から商標法違反容疑で書類送検されていた。朝日新聞によると、和田氏は通販サイトで偽物のバッグを仕入れ、2115円の利益を得ており、偽ブランド品の販売理由について、「選挙資金のためだった」と話しているという。5月9日には、東京簡裁から同法違反の罪で、罰金20万円の略式命令が出され納付済みだったが、そうした事実を隠しながら、同14日公示の足立区議選に立候補したことになる。
和田氏は24日、所属していた立憲民主党東京都連に離党届を提出していたが、党はそれを受理せず、除籍処分とした。事実を隠して公認を受けていたことが主な理由だという。
青山学院大学を卒業後、元メガバンクの営業職として15年間勤務していた和田氏。2021年の東京都議会議員選挙に出馬し、落選。今回の区議選が初当選だった。
和田氏の選挙応援も手伝ったという立憲民主党都議会の関係者は「ハキハキとしゃべり、明るい性格だった。今回のことは報道で知り、正直驚いている」とショックを受ける。
だが一方で、「都連の集まりで議員と情報共有したところ、偽ブランドの販売は今回の1件だけではないようです。他にも余罪がある可能性があると聞いている」と話す。朝日新聞の報道でも「捜査関係者によると、和田区議は送検容疑以外にも偽ブランド品を販売していたという」と記されている。同紙の取材には「送検容疑以外で、偽ブランド品を販売したと認識しているものはない」と答えているが、立憲内部でも余罪については問題視されていたようだ。警視庁関係者も「送検した容疑以外にも偽ブランド品を販売していた形跡がある」と話した。